愛×数学×短歌
#本
横山明日希
愛と数学の短歌コンテスト
ベクトルの定義によれば「方向と大きさを持つ」つまり恋だな(泳二)
計算の演習問題「席替えで君が隣に来る確率は?」(蒼)
座標から距離の出し方知ったけど距離の詰め方教科書にない(横山明日希)
平行線1°動けば交差するだから私も一歩踏み出す(ごまだれ)
半分の距離に寄ってもいいですか 何度なら許してくれますか(のったん)
あと半分あと半分と少しずつ想いを寄せても届かないんだ(横山明日希)
無限に足した場合、この数式の答えは1となるが、人生は有限なのでたどり着くことはできない
もう少し弾む会話が欲しいのに解の公式使ってばかり(深水遊脚)
机上では好きを証明できたのに面と向かうと成立しない(y0k0t0m0)
四捨五入して繰り上げた思いでも構わないから好きと言ってよ(いなば・みゆき)
好きな人求めるあなたの方程式解一つかなそれ私かな(コロちゃんぬ)
仮定するきみ幸せにできないと一生かけて矛盾示すよ(はるね)
アイという見えないものを認めると世界は少し美しくなった(水宮うみ)
愛おしい青き数学あやつる君 僕はとなりで青ざめる夏(勇)
切り捨てた端数のような恋心 誤差が重なり何かが狂う(物部理科乃)
最大の公約数を探そうと分割し合い傷つく二人(物部理科乃)
およそ3に括られても嬉しくない 見てよ私の小数点以以下(三月海月)
あなたとはねじれの位置にある道をこれから歩くどうか元気で(木野葛紗)
明日から互いに素なの私たち 交わることは二度とないのだ(井筒ふみ)
あなたとの公倍数が大きくてとてもじゃないけどついていけない(横山明日希)